コーヒー豆の品種ミニ百科(後編)

前回の「世界の主要コーヒー品種紹介」に続き、今回は「台湾で栽培に適したコーヒー品種をどう見つけるか」について紹介します。

まず、台湾は国土が狭く、土地コストが高いため、大規模な栽培には向いていません。

そのため、自家受粉できる品種が適しています。

上記の3大コーヒー種(アラビカ・ロブスタ・リベリカ)のうち、自家受粉できるのはアラビカ(Arabica)のみです。

また、台湾は他国に比べて生産コストが高いため、台湾産コーヒーの販売価格も高くなります。

そこで、消費者がその価値を感じられるよう、風味が多様で豊かなアラビカ種を選ぶことが重要になります。

以上の理由から、台湾のほとんどの農家はアラビカ種を栽培しています。

ただし、アラビカの中にもさまざまな系統があり、

ゲイシャ(Geisha)、ティピカ(Typica)、ブルボン(Bourbon)、カトゥーラ(Caturra)、SL34などが代表的です。

それぞれの品種は、環境条件によって最適な生育地が異なるため、農家は自分の土地の特性に合わせて品種を選びます。

1. ティピカ(Typica)

台湾で最初に広く栽培された品種。

枝は細くしなやかで節間が長く、耐病性(特にさび病)にはやや弱い傾向があります。

2.ブルボン(Bourbon)

果実の色によってレッドブルボン、イエローブルボン、ピンクブルボンなどの亜種が存在します。

さらにその系統からカトゥーラやカトゥアイなどの品種も派生しています。

果実は小ぶりで丸みを帯び、節間が短く、中〜低標高の地域に適しています。

糖度が高く、安定した収量を誇る人気の系統です。

3. SL34:

ケニアでよく見られる人工交配品種。

「Scott Laboratories」で育成されたため、頭文字「SL」が付いています。

果実は大粒で丸みがあり、豊かな収穫量を誇ります。

台湾でも新たな注目株で、プラムや梅、カシスのような酸味を持つ味わいが特徴です。

4. ゲイシャ(Geisha)

エチオピア原産ですが、パナマでその名を世界に広めた品種。

果実は弾丸のような形をしており、ライチのような香りを持ちます。

節間が長く、中〜高標高での生育が最も良く、華やかな花の香りが際立つコーヒーです。

以上が台湾でよく見られる主要品種です。

台湾は国土が小さいとはいえ、各地で気候や環境が異なるため、土地の個性に合わせた「適地適種」が可能です。

これこそが、台湾コーヒーが世界の他の産地と異なり、多様性を持つ理由でもあります。

標高によっても適した品種は異なります。