コーヒーカッピング ― 客観的に味を見つめるための道

カッピングという仕組みを理解する前に、「このコーヒーはどんな味ですか?」と聞くと、多くの人は「コーヒーの味」と答えます。

では、そこから何を語れるでしょうか?

少し酸っぱい、ちょっと苦い——おそらくその程度で終わってしまうでしょう。

「なぜコーヒーが好きなのか」と聞かれたら、「香りが好き」「コーヒーを飲むと落ち着く」といった答えが多いかもしれません。

「コーヒーを楽しむ=生活を楽しむ」そんなイメージもあるでしょう。

しかし、同じ“コーヒー”でも50元のものもあれば500元のものもあります。

いったいどこに違いがあるのでしょうか?

ここで、コーヒーの共通言語「カッピング」について話してみましょう。

カッピングとは、焙煎や抽出の変数を統一し、共通の基準で語るための方法

カッピングは、焙煎や抽出条件の違いによる影響を排除し、同じ条件で評価を行うための仕組みです。

コーヒーは「飲んで感じる作物」であり、感覚的な体験を言葉にするのは難しいため、共通の基準で客観的に評価するためにこのシステムが生まれました。

カッピングの流れ

単一の焙煎プロファイルで焙煎 → 豆を計量 → 豆を挽く → 乾いた状態の香りを嗅ぐ → 湯を注ぐ → お湯を浸した状態の香りを嗅ぐ → クラスト(表面の層)を崩す → カップ表面のコーヒーの粉を取り除く → テイスティング

各工程を標準化することで変数を最小限に抑え、香り・味・質感といった要素を段階的に分析・記録します。

「酸味はオレンジ? それとも柚子?」

「口当たりはミルクのように滑らか? それともややザラつく? 飲んだ後の余韻は長い? 短い? 口の中はクリーン? それとも雑味が残る?」

このように感覚を言語化して記録することで、共通の評価基準が生まれ、より具体的なコミュニケーションが可能になります。

こうして標準化されたプロセスを通じ、自分の理想とするコーヒーを見つけたり、改善の方向性を明確にしたりできるのです。

カッピングは品質向上のためのツール

農家はカッピングを通じて次の収穫期に向けた改善点を見つけ、ロースターは焙煎曲線を調整し、バリスタは抽出技術を磨きます。

カッピングは単なる専門的な評価ではなく、コーヒーの“ありのままの姿”を知り、そこからどう良さを引き出すかを考えるための大切な手段です。

また、消費者の感覚を理解し、より良いコーヒー体験を届けるための対話の場でもあります。

自分の好きなコーヒーを知る手がかりとして

アメリカスペシャルティコーヒー協会(SCA)の基準では、欠点豆の割合が一定以下で、カッピングスコアが80点以上のコーヒーを「スペシャルティコーヒー」と定義しています。

カッピングスコアはあくまで品質の目安であり、好みの基準ではありません。

スコアが低くても「自分が美味しいと感じる」なら、それは“正しいコーヒー”です。

まるで「点数よりも相性が大事な人間関係」のようなものですね。

簡単なテイスティングのコツ

コーヒーの風味は「酸 → 甘 → 苦」と移り変わります。

前半に軽やかな酸味があり、中盤にしっかりとしたボディ、後半に心地よい余韻が残る——

そんなバランスの取れた一杯なら、そのコーヒーはきっと本質的に良いコーヒーです。
コーヒーを味わうとき、そんな小さな気づきを大切にしてみてください。